学校長の挨拶

 

理事長・校長

 11月になりました。
 長い2学期も半分が過ぎたことになります。始まりの頃は記録的な暑さが続いていましたが、最近は吹く風も随分と冷たくなりました。勉強にスポーツにいい季節です。高校仕上げの時を迎える3年生には来春の希望の進路が叶うよう、収穫の秋となることを願っています。

 「society5.0」という言葉をご存知だと思います。日本がこれまで歩んできた社会は、狩猟社会、農耕社会、工業社会、情報社会。そして、これに続く社会「超スマート社会」をこう読んでいます。
 文部科学省「平成28年版科学技術白書」によると、「ネットワークの高度化、ビッグデータ解析技術と人工知能(AI)の発展によりサイバー空間と現実空間が融合することで訪れる」とあります。
 テクノロジーの発展には目を見張るものがあり、その恩恵で人間の生活は劇的な変化を遂げています。インターネットの普及により遠いところにいても相手の顔を見ながら簡単に話ができるようになりました。掃除機など、AI搭載の賢い家電も身近になり、話し相手になるロボットなども珍しくなくなり、自動運転の車もそう遠くなく登場するでしょう。片手に乗るスマホひとつでできることを考えたら、少し前には想像もしなかった便利な世の中になりました。

 経済産業省がこの変化の時代、2030年頃の近未来の学校の風景を「未来の教室」として公表し、これからの新しい学びのスタイルを提言しています。
 それは、「人それぞれ適した学び方は多様である」ことを認め、様々な「教室空間」(学校・オルタナティブスクール・学習塾・自宅・社会課題の現場や研究施設等)、様々な「先生」(学校教員・塾講師・研究者・友達や先輩・企業やNPOの人)、様々な「学習内容」(探究テーマや各教科単元)、様々な「学習ツール」(AI・講義動画・電子書籍・VR(バーチャルリアリティ)・オンライン会話・プログラミングソフト等)を組み合わせ、一人ひとりの学習者に適した形で学びの生産性を最大化できないだろうかという提案です。同省は、これまでの学校教育そのものを考え直す必要があるのではないかと考えています。今のように全員が登校し、決められた時間に決められた授業を受けて、決められた課題をこなし、決められたテストによって評価され、決められた期間で卒業していくというシステムでは、大きく変わりつつある社会では通用しないのではないか。つまり、ICT環境の整備が進むなか、毎日学校に行って一斉授業で学ぶ必要もなく、一人ひとりの理解度に合わせて学習ツールを活用した学びのスタイルがあってもよい、学校を中心と据えた教育から、学習者を中心に置いた教育へシフトしていこうというものです。

 近未来の学校の風景は様変わりするのでしょう。そして、そこに勤める教師の役割も変わっていくのです。生徒の多様な学びを励ましたり、モチベーションを上げたりすることが求められていくのでしょう。働き方も変わっていくのかもしれません。
 しかし、society5.0、超スマート社会の学校で活躍する教師にとっても、その使命はその時代に生きる子どもたちに、確かな知識と豊かな教養を身に付けること、社会に貢献して誠実に生きていくことを教えることです。ここは永久に変わることはないでしょうが、より教師の人間力が求められていく気がします。
 人間はこれまでも社会環境の変化に対応して生き抜いてきました。そして変化した新しい社会は生活も良くなってきたはずです。テクノロジーの進化により登場する新しい便利なものを正しく使いこなして、生活がさらに良くなるようにしていかなければなりません。

2018年11月1日  校長 陣内恵二

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