学校長の挨拶

 

佐賀清和学園校長 陣内恵ニ

 7月になりました。
 今年も半分が過ぎたことになります。生徒たちはこの折り返しをどう受け止めているでしょうか。後半も何事にも一生懸命に取り組んでくれることを期待したいと思います。

 全国には国立、公立、私立を合わせると約4800の高校があります。そのうちの約2600校から集まられた校長先生たちの研修会に参加しました。その会の初日に講演をされた脳科学者の茂木健一郎氏は「秘密結社みたいですね」と会場の笑いを誘いました。「脳科学からの高等学校教育への期待」という演題で講演がありました。
 まず「教育なくして令和なし」と新しい時代の教育への期待を示され、大学入試がいまだに重箱の隅をつつくような出題をして、高校もそれに受かるための学習をしているようではいずれこの国は滅びる、と指摘されました。脳科学の観点から、人間は1万時間ひとつのことに打ち込むとその道の達人になれる。カリキュラムにとらわれすぎずに、教師の特性や人柄を生かし、この国の将来に必要な人材を高校段階から育ててほしい、と訴えられました。
 また、今の時代に求められる能力、大学入試の合格基準は何か、ビル・ゲイツ氏をあげ、ハーバード大学がペーパーテストだけではなく人物評価も加味し多様な学生を入学させて新たな価値の創造をめざしていること、地頭をつくる教育をしている高校が最後は進学実績を上げていること、AI(人工知能)が発達する時代だからこそ人間の個性が大事であること、何が価値かを決めるのはAIではなく人間であること、脳の長所と短所は表裏一体で、識字障害の人が驚くような才能を発揮することを俳優のトム・クルーズ氏や落語家の柳家花緑氏を例に話をされました。教育に関する示唆に富んだ話で、1時間半が短く感じられました。

 自分のメモの最後には、「多様な価値があり、その価値は人間が決める、自分が持つ評価基準は正しいのか、教育とは価値への曇りのない目配り」と記していました。
 教育の在り方として、子どもたち一人ひとりの能力を最大限に伸ばすことが大事だ、とよく言われますが、そこには教師の価値観や人生観が問われていると思います。
 教育は一人の教師からはじまります。

2019年7月1日  校長 陣内恵二

⇒最新の『学校長の挨拶』へ戻る

 

佐賀清和学園

Copyright© 2010 SAGA SEIWA GAKUEN All Rights Reserved.