理事長のコラム「本のある風景」

No.22 鎌田實脚本 紙芝居「かまた先生のアリとキリギリス」

誰でも知っている童話「アリとキリギリス」。これは私たちにいろんなことを教えてくれる『イソップ童話』に収められている作品。原作では夏の間、遊びほうけているキリギリスと働き者のアリ。冬になって食べ物がなく飢えて死んでいくキリギリス・・。まじめに働くことの大切さを教えてくれる童話だが、長野の諏訪中央病院名誉医院長の鎌田實さんは、ストーリーを変えて、この紙芝居作品を世に出した。

鎌田さんは、なぜ、この〝新しいアリとキリギリス〟を書いたのか・・・。

鎌田さんは「働くことの大切さを教えることはとても大事。でももう一つ、誰にでも希望が持てる寓話があってもいいのではないか」と考え、この紙芝居のエンディングでは、アリはおなかをすかせたキリギリスにごちそうを振る舞い、キリギリスはお礼に素敵なバイオリン演奏を聞かせてあげるのです。

鎌田さんの願いは「誰でも、もっと相手を理解することが大事」だということ。今、世界はどんどん壁を造ろうとしている。宗教、民族、国家、価値観などの違いで人びとが分断されていく。

鎌田さんはこの新しい「アリとキリギリス」で、人と人の間には壁があることを伝えるより、壁をなくすことの大切さを伝えたい-と、作品解説で語っている。自分とは違う相手を理解しようと努力することの大切さ、夢や希望を持つことの大切さ、友情の素晴らしさを、ものの見事に伝えている。近く佐賀に来られるが、鎌田さんと会えるのが待ち遠しい。

理事長 富吉賢太郎

 

佐賀清和学園

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