理事長のコラム「清和の窓から」

No.1 「教養とは何か」

 日本の教養書として広く知られる岩波新書が発刊されたのは1938年(昭和13年)。岩波書店の創始者・岩波茂雄の「日本人に新知識を提供したい」との熱い思いをくんで新書の編集者として携わった元岩波書店会長小林勇(1903-81年)は「本屋の役割は人類の進歩に貢献することだ」と言って「現代人に必要な教養を」という視点からの編集を貫いた

◆その小林は17歳で長野県から上京、住み込み社員から後に代表取締役になった苦労人。「本屋の役割は…」という含蓄ある言葉は今もって示唆に富んでいる。岩波や小林が言うところの「教養」とは単なる多識とは違う。人間の進歩に資するもので、生きる上で必要欠くべからざる重要な要素といってもいい。

◆そして、教養とは、本や新聞を読んだり、映画やテレビを見たり、人と話をしたり、人の話を聞いたり、ありとあらゆる学びと体験によって身についた、目には見えない複合的な理解力と人間性とでもいうべきもの-と考えたらどうだろう

◆現代的教養の提供を目指した岩波新書の刊行から81年。いろいろ社会の危うさと閉塞感が漂う昨今、あらためて「教養とは何か」を考えてみたい。そこに何か糸口が見つかるかもしれない。

理事長 富吉賢太郎

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