理事長のコラム「清和の窓から」

No.10 簡潔に、分かりやすく

もう随分前のことだが、ある県立高校の学校目標を見て感心した。その目標は、ただ1行「中退者をゼロに!」

中退者問題を学校目標にしなければならないほど中退が多いのか、と驚きもしたが、やたらくどくて、そのうち何だったのか忘れてしまいそうな学校目標も多い中で、これは際だって単純明快。ただ一つの目標達成のために学校は何をすべきか、教職員はどう取り組むか、思いを一つにして本務に精進する過程で、いろいろ課題も見つかってくる。

生徒の生活規範や家庭の問題。先生と生徒の信頼感、授業の在り方、学習意欲…。その一つ一つの課題解決の後に「中退者ゼロ」という結果がついてくる。すなわち「中退者ゼロ」は、何が何でも途中で学校を投げ出す生徒をなくそうというのではなく、学校そのものの活性化を分かりやすい目標として表現したものだと思った。

単純明快な目標と言えば紀元前の話。秦を滅ぼした中国・漢の初代皇帝・劉邦が定めたわずか三行の国法があった。「殺せば死刑、人を傷つければ罰、盗んだら罰」。殺人、傷害、窃盗、これを犯せば厳罰という簡潔にして明瞭なこの「法三章」が大漢帝国の基礎となった。

江戸時代、会津(福島県)の藩校日新館で学ぶ子どもたちが守るべき「什(じゅう)の教え」もそうだ。「うそを言うことはなりませぬ」「卑怯な振る舞いをしてはなりませぬ」「弱い者をいじめてはなりませぬ」「ならぬことはならぬもの」といった7つの規則。これも分かりやすい。

わが清和の日常における実践目標「和顔愛語」。この4文字をそのまま一字一字、解読すればいい。教育理念は「明」の一字。意味は①てる、かがやく②はっきりする③あらわれる④きよい、いさぎよい⑤秩序がある⑥よく見える⑦かしこい・・。目指すべき〝自分の姿〟が見えてきませんか。

理事長 富吉賢太郎

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