学校長の挨拶

 

理事長・校長

 今日から8月が始まります。
 夏休みに入った子どもたちは普段とは違う気持ちで毎日を生活していると思います。私が小学生の頃は一日は朝のラジオ体操から始まりました。近くのお寺に毎朝通い、終わった後もしばらく遊んで帰ったものです。時には森に入り、カブトムシやクワガタを探し回って帰りが遅くなり、母にこっぴどく叱られた記憶があります。今、近所のラジオ体操の様子を見ていると、子どもたちの数も少なく、実施する期間も短いようです。これも時代の流れでしょうか。
 夏休みは子どもたちにとって、普段できない挑戦や体験がたくさんできる貴重な時間です。

 また、来春進学や就職を考えている子どもたちにとっては、勝負の夏です。昔から「夏を制する者は受験を制す」と言われています。夏休みは、いつもより自分のペースで物事を進めることができます。まさに自分が試される時でもあるわけです。大きく伸びる子どもがいる反面、自分の甘さから怠惰になったりして下降する子どももいます。言うまでもなく、自分に厳しくする分、成果がついてきます。すべての子どもたちがたくさん汗をかいて、来春、希望の進路が叶うことを願っています。
 時代が変わっても子どもたちにとって夏休みの意義は不変です。

 7月のある新聞に「寅さんの面影を求めて」という記事がありました。寅さんとは、映画「男はつらいよ」で渥美清さんが演じる主人公ですが、今の子どもたちは寅さんのことは知っているのでしょうか。シリーズ第42作目になる平成元年公開の『男はつらいよ ぼくの伯父さん』は佐賀市や小城市など県内が舞台で、記事には当時の撮影の様子や関わった人たちへのインタビューが掲載され、来年4月で終わる平成という時代に思いをはせてロケ地を巡った、とありました。

 私も映画館で何作か見たこともあり、懐かしくネットで調べていたら、「寅さん名言集」なるサイトがありました。山田洋次監督は、寅さんの口を借りて、さまざまな教訓を残しています。第40作『男はつらいよ 寅次郎サラダ記念日』という作品の中で、吉岡秀隆さん演じる甥っ子の満男が、ちょうど大学受験を迎える頃、受験勉強にいきづまり、寅さんに悩みをぶつけます。「ねえ、伯父さん。何で勉強なんかしなくちゃいけないのかな。将来役に立つのかな」
 この問いかけに寅さんはこう返します。「いいか。満男よく聞け。人間、長い間生きてりゃいろんな事にぶつかるだろう。そんな時、俺みてえに勉強してないヤツは、人生の大切な場面でどっちに行くか迷った時に、振ったサイコロの出た目で決めるとか、その時の気分で決めるよりしょうがない。しかしよ、勉強したヤツは自分の頭で、きちんと筋道を立てて判断できるんだ。それが、勉強した人のすごいところよ」
 さすが寅さん、なるほどと頷きます。ものごとを筋道立てて考えることのできる力。何かにぶつかったときに、それを打開するための考える力を養うために勉強する。寅さんはそう言っています。
 時代が進み、社会が大きく変化しても、働き、生きていくためには身に付けておかなければならない力です。

 子どもたちはいろんな悩みを抱えて成長します。そのときどきの問いかけに、寅さんのように端的に答えられるような大人の存在が必要です。

2018年8月1日  校長 陣内恵二

 

佐賀清和学園

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