理事長の挨拶

 

佐賀清和学園理事長 富吉賢太郎

ある日の日曜日の午後、佐賀市北川副を車で走っていた時、目にした信じがたい光景・・・。
側道を自転車に乗った中学生か高校生の男女5人が走っていた。私服だから、どこの生徒か分からない。楽しそうに話しながら追い抜いたり、抜かれたり。こちらは車だから話の内容までは分からない。とにかく楽しそうである。

若いっていいなあ。そう思いながら、若い自転車集団を横に見ながら追い越そうとした、その時、先頭を走っていた男子が手に持っていた飲み物のボトルを高く放り投げた。空中に弧を描くボトル。投げた男子は後ろを振り向きながら笑っている。後ろの4人は大声を上げ、スマホを取り出し、映像を収め、笑いながらボトルは捨てたまま、自転車をこいで走り去った。

とっさに車を止めて注意しようとしたが、車の流れの中で急には止まれず、いやな思いを抱えたまま、そのまま帰宅した。

この出来事、たかが一個の飲料ボトルと思っちゃいけない。ゴミのポイ捨てぐらいなんだ、と思っちゃいけない。公衆道徳が守れない人間は、いつか必ず恥ずかしいことをしでかす。たかがゴミ一つだからこそ、大事なんだという思いがなければ、これからの時代を生きていくことはできない。人から尊敬もされない。これから大人になって、いい人間関係をつくれないし、やりがいのある仕事だって見つけられないかもしれない。

今回の出来事。グレタ・トゥーンベリさんの環境問題の視点からも指摘できるが、私はモラルの問題として残念で、恥ずかしい事だと思うのです。生きていく上で大事なこと、きちんと挨拶ができる、人の話が聞ける、人と仲良くできる、あたり構わずゴミを捨てない、恥ずかしいことをしない・・。こんな日常が守れる人間になってほしいと思います。

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「佐賀清和学園」は1911(明治44)年4月、佐賀市与賀町に校主内田清一氏が創立された「私立実科女学校」が始まりです。その後、1924(大正13)年に「佐賀清和高等女学校」と改称。戦後の学制改革に沿って1948(昭和23)年「佐賀清和高等学校」となり、現在の学校法人となったのは1951(同26)年のことです。
 近代日本の歩みそのままに明治、大正、昭和を経て平成から令和と、時代の変化に対応して今日にあることを誇りに思い、改めて本学園の歴史と伝統の深さ、重さを感じております。

女子教育から男女共学へ。また佐賀県内ではいち早く中高一貫教育に取り組んだ本学園の建学の精神は「人間性の涵養」。教育理念は「明」。そして、生活実践は「和顔愛語(わげんあいご)」。
 学業の向上だけでなく、人として一番大切な教養・品格、礼儀・作法を身につけること。また「明」とは、自分自身へリフレインする「聡明であれ!」「明朗であれ!」という心のありよう。そして日常の合言葉は「常におだやかな笑顔と思いやりの言葉を」
 中学、高校時代。長い人生において、この時期ほど心身の成長著しい年頃はないと思います。歓喜の達成感もあれば、時として打ちのめされるような挫折感を味わうこともあるでしょう。そのすべてが後々、「清和」に縁あった子どもたちの宝物になるような教育を心がけたいと思います。         

2019年10月1日  理事長 富吉賢太郎

 

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