清和の窓から

2019.08.30

No.12 「育てたように子は育つ」

「育てたように子は育つ」。ドキッとするような言葉である。

これについて児童精神科医の佐々木正美さんは以前、「まず子どもたちは、人と自分を信じることができるように、人生の最初に無条件の愛情に恵まれて、ずっと上等の手本を見せられながら、社会の規範をゆっくり穏やかに教えられるのがいい」と説いている。

新潟大医学部を卒業後、カナダのブリティッシュ・コロンビア大学で児童精神医学の臨床訓練を受けた佐々木さん。帰国後、知的障害児施設「国立秩父学園」(埼玉県)や神奈川県児童福祉医療財団「小児療育相談センター」などで多くの子どもを見てきての実感だろう。

佐々木さんは不純異性交遊で補導される何人もの少女と会った。少女たちは概して反省に乏しい。決まったように「誰にも迷惑かけていない」と言う。少女たちは社会の規律を守ろうとする意識、親や家族への思いやりの気持ちに欠けている。佐々木さんは「子どもの心を育てることに周囲がいかに無頓着であったか」

子どもは社会の宝物。無頓着ではいけない。寄り添い、見つめ、時にはきつい叱責も・・。人の育ちや命を守ることにいつも心を砕いている佐々木さんから学ぶことは多い。

理事長 富吉賢太郎

2019.08.30

 


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