清和の窓から

2022.01.11

No.54 「和顔愛語」の石碑

校門からほど近い校庭の端に建つ銅像「内田清一先生之像」は、学園創立60周年を記念し1970(昭和45)年4月25日に設置されました。

背面のプレートには、当時の第4代校長西村末六先生が、「内田清一先生は村田藩士家老の邸に誕生 資性豪快武道を好み 威風堂々県政に活躍し 人情に厚く清濁合わせ飲み 街頭を闊歩すれば人亦之を仰いで私淑す 夙(つと)に女子教育の必要を痛感し 明治44年4月此の地に私立実科女学校創設 爾来時運と共に校模幾度か変遷し清和高女を経て 遂に佐賀清和高等学校となり内容外観共に雄大なる盛観を呈するに到る・・・・」と揮毫されています。

創立者の胸像を建て、その威徳を偲び、将来を展望する思いが伝わる重厚な表現が胸を打つ文面だと思います。ここにある「此の地」とは、皆さんが通う現在の兵庫北の校舎ではなく、移転前の旧校舎があった佐賀市与賀町の場所です。

ご存じのように、清和は戦後1947(昭和22)年の学制改革で「佐賀清和高等学校」と改名。そして4年後には「学校法人佐賀清和学園」となって今日に到っています。校舎の移転は佐賀市の都市計画道路の拡幅に伴ったもので、2014年に現在の地に新校舎とともに引っ越し、新たな歴史を歩んでいます。

今年は創立111年になりますが、正月早々、内田清一先生の銅像のそばに見事な天山御影石に「和顔愛語」文字が刻まれた石碑が設置されました。石に刻まれた4文字は、私が緊張感の中で汗をふきふき書いたものですが、実はこの石碑、佐賀清和の移転当初からいろんな面で応援してくださっている地元兵庫のNPO法人「夢の里兵庫」(福井久男代表)から寄付していただいたのです。本当にありがたく、感謝したいと思います。

佐賀清和学園の建学の精神は「人間性の涵養」。教育理念は「明」。そして、その建学の思いと、確固たる教育理念達成のための日常実践こそが「和顔愛語」なのです。「和顔愛語」は漢字そのまま、和やかな笑顔と思いやりのある言葉。そう、難しいことは何もない、笑顔と思いやりです。皆さんの日常がそうであれば、きっとそれぞれの目標が達成できると思います。そして、皆さんの未来も明るく開けると信じています。

今年の卒業式や入学式は、銅像と石碑の前で笑顔の記念撮影の光景が広がることを期待しています。

理事長 富吉賢太郎

2022.01.11

 


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