清和の窓から
「清和の窓から」No.92 高校総体 さあ、また挑戦だ!
「清和の窓から」No.92
高校総体 さあ、また挑戦だ!
高校生アスリートの祭典、第62回佐賀県高校総合体育大会。今年の総体は30競技32種目に佐賀県内42校から6183人は出場。全国総体の出場権を目指し、手に汗にぎる熱戦が繰り広げられました。君たちの歓喜と悔し涙、これは、いつ見ても美しい。
待ちに待った高校総体。いくつかの会場に応援に出かけました。
高校生が輝く時はいくつもありますが、高校総体もその一つで、どの会場でも、みんな輝いていました。大会2日目、試合が終わり、明日の準決勝、決勝での善戦を期待しながら会場を出ようとした時、会場出口のわきに、ある高校のチームが集まり、監督さんの話を聞いていました。内容は分かりませんが、神妙な表情の輪の中で、タオルを顔に当て泣いている選手がいました。嗚咽をもらす選手、号泣している子もいました。負けたチームだと分かりました。
そっと会釈して通り過ぎながら、「1年生、2年生は来年がある。でも3年生には、これが最後の大会なんだ。そうか、悔し涙・・」。そんな思いが頭の中をかすめた時、「勝った喜び、歓喜もそうだが、同じように、その悔し涙が君たちの宝物になるんだ」と、そっとエールを送りました。
人間は生まれた瞬間から成長していきます。1日1日、毎日毎日、昨日より今日、今日より明日と成長しています。子どもも大人も常に成長を続けています。先日、手にした雑誌『形forme』(日本文教出版)に、教育学者・佐藤学さんの「成長は〝背伸び〟と〝ジャンプ〟の連続である」という言葉が紹介されていました。
高校生たちは今日も成長している。勝って喜びの輪を作るときも、負けて泣きながら肩を寄せあっているときも、成長しているのです。人間は誰でも、自分の新たな能力を身につけようと目標を持ち、その目標に向かって背伸びし、ジャンプする。グッと背伸びして、エイッとジャンプして、その目標に手が届くこともあれば、手が届かないこともある。でも、どちらも君たちの成長には変わりないのです。
私は佐藤学さんの「背伸び」と「ジャンプ」を「挑戦」という言葉に代えて、「成長は挑戦の連続である」としたいと思います。そして、これからも続く君たちの「挑戦」を惜しみなく応援するのが清和学園であり、やさしくて厳しい先生たちだと思っています。
さあ、勝っても、負けても次に挑戦しよう!
理事長 富吉賢太郎