清和の窓から
理事長コラム「清和の窓から」119 自己肯定感「宇宙はみんなつながっている!」(上)
自己肯定感「宇宙はみんなつながっている!」(上)
教養の時間での講話を少し要約して紹介しましょう。聞くのと読むのでは感じ方が違うと思いますよ!
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今日は9月29日。皆さんにどんな話しようかと、いろいろ考えていて、体育館に入る前、ふと、「今日は何の日かな?」と思って、ちょっと調べたら「1927年の今日、米大リーグでベーブ・ルースが本塁打60本の大リーグ新記録を達成」という項目がありました。
思いもしなかった98年前のこの記録と、今朝のニュースでやっていた「大谷翔平55本の自己最多ホームラン」と重なって、思わず「へぇー、そうなんだ!」何だか気持ちが明るくなりました。この、ちょっとした感動。これが大事なんですね。「別に! それが何?」でスルーするのと、「へぇー、そうなんだ!」と感じるかどうか。この違いで1日のモチベーションが変わってくるような気がします。興味関心と言うか、ちょっとした驚きとか、気持ちの動きの大切さでもありますね。
そんな物事に対する反応とは別に、自分に自信を持つこと。また、自分の生まれた所、住んでいる町、そして自分が学んでいる学校に誇りを持つこと、これも自己肯定感の醸成に大きく関わってくるような気がします。
さて、本題につなげる一つのエピソードになりますが「世界が驚いた日本のすごさ」という3つの歴史的事案がよく言われます。これは人によってとらえ方、感じ方が違うかも知れませんが、なるほどと思う日本のすごさ、3つの出来事とは何か!
①1867年パリ万博への初参加とジャポニスム
皆さんも知っているように、日本の江戸時代。1639年のポルトガル船の入港禁止から1854年の日米和親条約締結まで200年以上鎖国政策をとっていましたね。しか し、幕末・明治になって日本は世界に目を向け、世界も日本を知ることになった。そのきっかけは1867年4月、つまり明治元年の前年ですが、パリで開かれた万国博覧会に鍋島藩と薩摩藩が初めて参加したのです。パリ万博には世界42カ国が参加。開国間もない日本の展示館に世界が驚愕したのです。見事な浮世絵・版画、有田焼、漆工芸、数寄屋造りの茶屋・・・。世界は初めて見る日本の文化の素晴らしさに感動。日本は初参加でグランプリを受賞。ジャポニスム(日本趣味)ブームを巻き起こすのです。鍋島藩は佐野常民団長ですが、佐野はここで赤十字活動を知り、後に日本赤十字社につながる博愛社を創設したのはご存知ですね。
②メイド・イン・ジャパン
パリ万博で日本の文化・芸術や日本人の奥ゆかしさも含め世界が驚いてから百年余りの1980年代。日本の経済成長の中で、メイド・イン・ジャパン、つまり良質な日本製品が賞賛されました。トヨタ、ソニー、セイコー、カシオ・・。「ジャパン・アズ・ナンバーワン」(日本こそが一番)。これはハーバード大・ボーゲル教授の著書ですが、日本製品だけでなくジャパンマネーが世界中にあふれ、ジャパンバッシングも起きた。これは、同じ驚愕でも、ちょっと違ったビックリです。
③東日本大震災で世界中が感心したモラルの高さ
バブル崩壊から20年後。2011年3月11日14時46分。この日に起きた東日本大震災。大変な津波被害にも驚いたが、それ以上に世界が驚き、感心したのは秩序ある避難生活やボランティア活動。あれだけの被害があっても暴動、略奪とは無縁の国。落とした財布が戻ってくる。それが日本という国だと世界が驚いた。ハーバード大ビジネススクールの学生たちが 授業の一貫として被災地を訪問したのも、日本は誇るべきモラルの高い国だからなのです。卑怯なことはしない!何でもコツコツ真面目に一生懸命!
いかがでしょう。私たちは自信を持っていいのです。そして、自信と誇りがあれば人は前向きになれるのです。それが自己肯定感に・・・・
前置きが長くなりましたが、後は(下)で紹介します。
理事長 富吉賢太郎