清和の窓から

2020.04.21

No.26  独学のススメ

司馬遼太郎「風塵抄」の中にある一文を・・・。

「以下は私事である。中学1年1学期の英語のリーダーにNewYorkという地名が出てきた。『この地名にどんな意味がありますか』と先生に質問すると、反応が激烈だった。怒声とともに、『地名に意味があるか!』
おそらく、意図的な授業妨害と思われたに違いない。さらに、『お前なんかは卒業まで保たんぞ』などと嫌なことまで言った。まったく不愉快な思い出である。」

さて、たった一言で英語教師から嫌われた司馬さんは果たしてどうしたか。

司馬さんは、この日、家へ帰る途中、小さな私立図書館に寄って調べてみた。そうしたらニューヨークの意味が簡単に分かった。実は、350年以上前、そのあたりはオランダの植民地で、オランダの首都の名前をとってニューアムステルダムと呼ばれていたが、1664年にイギリス軍に占領されてから、当時の英国国王の弟のヨーク公にちなみニューヨークとなったと分かったのだ。

図書館に行けば簡単に分かる。調べれば面白い。司馬さんの図書館好きはこの時からだそうだ。

その後の司馬さんはどうしたか。何と、教師らしくもない感情的に叱りつけた英語の教師を黙殺した。司馬さんの決意は相当で、英語は徹底的に参考書で勉強した。その教師が使っている教科書は見ないようにした。試験は白紙で出した。(見上げた根性!)

そして、司馬さんは、この独学癖のおかげで、その後、英語に関する限り苦労はしなかったというから、すごい。

この痛快なエピソードから学びたい。教師は自分の生徒に対しいかにあるべきか、教訓としたい。生徒は、単に教師を嫌う、敬遠するだけでなく、根性出して、司馬さんのように自分で学ぶ、つまり独学、自学自習の方法を身につけるべきである。

調べることの大事さを知らなくては・・。私は思う。スマホを持っている皆さんは、手のひらの上に〝図書館〟を持っているようなものだと。検索機能を持つスマホ、パソコンは、かく使うべきだと・・・。

理事長 富吉賢太郎

2020.04.21


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