清和の窓から

2024.04.12

No.91  新入生433人、入学おめでとう!

新入生433人、入学おめでとう!

清和高校に入学した433人の新入生のみなさん、入学おめでとうございます。先日は立派な入学式で、感動しました。これから卒業までの3年間、一緒に頑張りましょう。入学式での挨拶を少し短くして紹介します。

佐賀清和学園は、今年で創立113年を迎える、県内有数の歴史と伝統を誇る私立学校です。佐賀市与賀町からここ兵庫北に全面移転してちょうど10年になりますが、この素晴らしい教育環境の中で、高校生としての自覚、わきまえのある日常、そして、日々、変わりゆく社会に身を置きながら、たくましく生き抜いていく力を身につけてほしいと願っています。これからの高校生活3年間、卒業するときは立派な、責任ある大人になるのです。今日は、その鍛錬の始まりの日であることを、今、ここで自覚してください。そして、高校生ですから「社会を見る目」を養ってほしいと思います。「社会を見る目」を養う学びは教科書の勉強はもちろんですが、映画やテレビを見ることも、週刊誌や雑誌を読むことも、そして、人と話すことも、人の話を聞くことも、すべて皆さんの人間形成につながる学びだと思います。

先月、話題の映画「ゴジラ・マイナス1」と、この世に原子爆弾という恐怖の核兵器を生み出したマンハッタン計画を描いた「オッペンハイマー」を見ながら、いろいろ考えました。また自宅で録画していた「桜色の風が吹く」を見ました。これは目が見えない、音も聞こえない、全盲、全聾の障害がありながら世界で初めて常勤の大学教授になった福島智さんという東大教授の、生まれてから高校、大学に行くまでの物語です。

3歳で右目の光を失い、9歳で左の目も見えなくなり、それでも挫けずに学校にいく福島少年。明るく、たくましく、いじめにも負けないで中学生に。ところが高校生になったころから、だんだん音が聞こえなくなっていく。音も光もない世界でどうすればいいのか。福島さんは、その時のことを、「自分がこの地上から消えてしまって、まるで、真っ暗な宇宙空間にたった一人、果てしない孤独と絶望の世界にポンと放り込まれたような怖さだった」そうです。

それでも歯をくいしばって、「おれは男のヘレンケラーになるんか!」と自らを奮い立たせ、大学受験を目指す姿に、私は心打たれました。福島さんは、この時1983年4月、全盲ろう者として日本で初めて大学合格、東京都立大に入学するのです。

福島さんの強い心、たゆまない努力はもちろんですが、折れそうな気持ちを支えたのは、一番身近な家族であり、そして小・中・高校と成長していくごとに出会う人たちの思いやり、激励です。

こんな話しをすると、それは福島さんだから出来たのでしょう!と考える人がいますが、福島さんがが出来たのなら、自分も少しは近づける、出来るかもしれない-と思うかどうかで、未来は大きく違ってくると思うのです。子どもの頃、良書100選に偉人や英雄の伝記がいっぱい入っているのは、偉人伝を読んだ子どもの中に「そうだ、僕もエジソンになるんだ!」と思う子どもが一人でも・・と願ってのこと。昔も今も、人は人に学ぶ生き物だと思っています。

皆さんも、これから新しい出会いがあります。先生、友達、先輩 そして中学時代では手にしなかった本や雑誌。また、地域の人の応援、ふれあい、いろいろです。そんな新しい環境の中で、もまれ、刺激され、感動、歓喜、奮起。また、無念、痛恨、挫折・・いっぱい経験してください。それが、そのまま、成長の糧となるのです。

高校生となって、自分は何を目標にするのか! そして、その目標に向かって何をしなければいけないか!目標達成のための日々の努力。それが必ず、皆さんの高校生活を有意義なものにしてくれるはずです。努力に勝るモノはない。単純にして明快なこの教えを実践できるかどうかです。心身ともに、しなやかな時に、基本を守って、挑戦して手にしたものは、ずっと後々まで、かけがえのない宝物になるはずです。そして、あなたたちの未来を必ず約束してくれると信じています。

さあ、夢・目標に向かって一緒に歩こう!

理事長 富吉賢太郎


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