清和の窓から
No.41 佐賀清和学園・創立110周年に思う
毎年4月25日は創立記念日として、創立者内田清一先生の思いを胸に刻んで、さらなる歩みを誓う日です。今年は前日の24日に記念講演として認定NPO法人ジャパンハートの吉岡秀人さんの話を聞きましたが、いろんなことを学びました。
例えば、世界の各地で医療・人道援助活動を続けている「国境なき医師団」と吉岡さんの「ジャパンハート」。どちらも尊い国際貢献ですが、その違いなども知りました。きっと、皆さんの記憶の中に、この日のことが、ずっと後々まで残ると思います。もしかしたら、吉岡さんのような医者になる人がいるかもしれませんね。社会を見る目、世界の実情を知ることの大切さだけでなく、夢を持つこと、心の向かうところをめざすことの素晴らしさ・・・。吉岡さんからのメッセージを、それぞれ自分なりに整理してみると、あなた自身の将来への道筋が見えてくるかもしれません。
吉岡さんはとても礼儀正しい人でした。つい先日、いろんな医療ボランティア活動を実践している医師で作家の鎌田實さんと、長崎出身の歌手さだまさしさんとお会いしました。東日本大震災の後、被災地で支援活動を続けている二人ですが、話の中で偶然にもジャパンハートの吉岡さんとの連携活動の話がありました。私は、どんな人に対しても分け隔て無く接することができるやさしい人たちは、自然とつながっていくものだと思いました。
吉岡さんに「先週の土曜日、鎌田さんと、さださんにお会いしました。吉岡さんの話題が出ましたよ」と言いましたら、「ああ、そうですか!」と笑顔を見せられました。清和で学ぶ皆さんも、どんな人に対しても、きちんとした挨拶と、やさしい言葉がかけられる人になってください。清和の建学の精神「人間性の涵養」とはそういうことなのです。朝、時々、挨拶をしても、視線も向けることなく通り過ぎる人がいますが、何だかさみしくなります。いろいろ、あるでしょうが、「おはようございます」声を出すだけで、気持ちが変わります。
皆さんの手元にある『佐賀清和学園創立110周年記念誌』はホームページに随時アップしている、この理事長コラムを抜粋したものです。もう、随分前の話ですが、私が新聞社にいたころ、ある県立高校の女子生徒から手紙をもらいました。手紙には「私はこの春、筑波大学に合格しました。私は高校1年の時、担任の先生から〝筑波を目指すなら、君の苦手な国語を頑張れ。今日から(賢)さんのコラムを毎日書き写しをするといいぞ〟と言われ、3年間続けました。おかげで希望の大学に合格できました」とありました。
継続は力なりという、その格言を実感しました。せっかく出来た冊子です。活用しない手はない。再読もいいのですが、順番は自由に、一日1編、1週間に1編でもいいですから、書き写しに挑戦してみたらいいと思います。「えっ、これ、おかしい」という箇所がみつかるかもしれません。挑戦してみてください。そう、何でも続けることが尊いのです。
理事長 富吉賢太郎
2021.04.27