本のある風景

2020.07.18

No.29 鈴木琢也・著『バカヤンキーでも死ぬ気でやれば世界の名門大学で戦える。』

カリフォルニア大学バークレー校。その名の通り、アメリカ合衆国カリフォルニア州バークレーに本部を置く米国の州立大学である。通称はUCバークレー。かの私立ハーバード大と並び称され、世界の大学ランキングでは上位常連の名門校。卒業生の中には信じられないぐらい多数のノーベル賞受賞者がいることでも、そのすごさが分かるだろう。

そうそう、ソフトバンク孫正義さんも、久留米付設高を1年であっさり中退。「自分のステージはアメリカにある」とばかり渡米。このバークレーで学び、今や世界が注目する実業家に。そんな名門大学に、勉強とはほど遠い荒れたヤンキーが一念発起。タイトル通り、死にものぐるいで勉強して夢をつかみ、人生を好転させた実話である。

著者・鈴木さんのプロフィールを見れば、本書の内容が一目で推察できると思う。鈴木さんは1986年神奈川県川崎市生まれ。夫婦ケンカ、親子ケンカが絶えない家族の不和が原因で親に反発、中学生のころから不良行為、警察の補導歴は数え切れないほどのヤンキーだった。ゴミと呼ばれ、偏差値30台という高校を卒業後、とび職に。転機は生保に勤める父親が初めて業績優秀者として表彰された式典。ここで父親の姿を見て一年発起。日本の専門学校に通い、その後、世界で活躍するIT起業家たちが最も多く卒業しているUCバークレー校に入るために猛勉強。本当に夢を叶え、卒業後はアメリカの超優良企業の内定を辞退し、日本最大のビジネススクールに就職、現在に到る。

人間、頑張れば夢が叶うということを教えてくれる。ここで、大切なのは「その人は特別だろ。自分にはムリ」と考えるのではなく「その人にできたなら、自分だって・・」と考えること。勉強の仕方や、親子の関係修復のヒントなども満載で、私は久々に息もつかないようなスピードで一気に読み上げました。本書に「これは、10年にわたる家族再生の物語・・・」とあるように、ぜひとも親子で読んで欲しい一冊です。

理事長 富吉賢太郎

2020.07.18

 


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