清和の窓から

2024.11.05

理事長コラム「清和の窓から」100   破けた心は繕うことができる!

破けた心は繕うことができる!

 

米国の政治家でアメリカ独立宣言起草委員も務めたベンジャミン・フランクリンは「怒りと愚行は相並んで歩み、悔恨が両者のかかとを踏む」という名言を残している。怒りに駆られた人は愚行に走り、後々まで、その後悔で苦しむことになりますよ-という意味でしょうか。

 

ずいぶん前のことですが、唐津線で列車マナーの悪さを乗客の1人から注意された高校生。謝るどころか注意した男性に対して反対に因縁をつけ、列車を降りた後も、その男性をにらみ続けていたという。彼はもう社会人になっているだろうが、今ごろどうしているだろう。

自分の非を注意され、謝るどころか歯向かってくる。列車を降りた後も怒り収まらず、捨てぜりふを浴びせ、にらみつける。あまりにも殺伐として、やりきれない光景が浮かんでくるが、生まれてわずか16、7年。その高校生の愚行、そうさせたものは何だろうか。きっと高校生になるまで、家庭や学校、社会で、いろんなことを見逃されてきたに違いない。だから高校生になっても心が育たず、心が破けてしまったのかもしれない。

でも・・・。心は破けたままではない。「心の破産を防ぐ道は読書に限る」(武藤山治)という言葉もあるが、悔恨と反省があるなら破けた心は今からでも繕うことができると信じたい。大切なのは反省する気持ちだと思う。

 

「人間だけが赤面できる動物である」という。自分の愚行にハッと気がついて、恥ずかしさと後悔で顔を赤くして反省しているのなら大丈夫。誰だって一時の感情を抑えきれず愚かなことをしでかす。肝心なのはその後、「いけないことをした」と謝る気持ちが肝心だということを知っていてもらいたい。これは大人、子ども、年齢に関係なく、人としての必須条件だといっていい。一度しかない青春を悔いなきものにするためにも、中高生の今から知っていてほしいことです。

 

理事長 富吉賢太郎

 


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